退職金が少ない60代は、決して珍しくありません。「退職金で老後はなんとかなる」そう思っていた時期が、私にもありました。
私が定年時に受け取った退職金は、40万円ほどです。2000万円でも1000万円でもありません。40万円です。
「退職金2000万円問題」という言葉がニュースで流れるたびに、私は思います。「2000万円もらえる人は、まだ恵まれている」と。世の中には、退職金がほとんどない人、そもそも退職金制度がない会社で働く人がたくさんいます。
この記事は、退職金をあてにできない60代に向けて書きました。退職金に頼れない現実とどう向き合い、収入が途絶える恐怖にどう備えるか。62歳の私の本音をお伝えします。
退職金40万円という現実
なぜ私の退職金は40万円だったのか
私は32歳で金属加工の工場を独立開業し、18年間経営しました。しかし50歳で経営難により廃業。同時期に自己破産しました。当然、自分の会社からの退職金などありません。
その後55歳で製造会社に就職し、60歳の定年を迎えました。そこで受け取った退職金が約40万円です。勤続年数が短ければ、退職金はこの程度です。これが多くの人のリアルな現実だと思います。
大企業に新卒から定年まで勤め上げた人なら、2000万円の退職金もあり得ます。でも転職を経験した人、中小企業で働く人、私のように人生の途中でつまずいた人にとって、まとまった退職金は夢物語です。
退職金をあてにできない人は多い
実は退職金がない・少ない人は決して珍しくありません。厚生労働省の調査でも、退職金制度がない企業は一定の割合で存在します。特に中小企業や、転職を繰り返した人、自営業だった人は、まとまった退職金を期待できないケースが多いのです。
それなのに世の中の老後資金の話は「退職金2000万円を運用して…」という前提で進みます。退職金をあてにできない私たちは、最初から置いてけぼりです。
退職金より怖い「収入が途絶える恐怖」
お金が減る恐怖より、入ってこなくなる恐怖
私が一番怖いのは「貯金が減っていくこと」ではありません。「収入が途絶えること」です。
退職金40万円では、そもそも切り崩して生活するという発想にすらなりません。私にとっての現実は、もっと切実です。「今の仕事を失ったら、来月からどうやって生きていくのか」という恐怖です。
現在は嘱託社員として製造会社で働いています。手取りは月28万円。この収入が途絶えた瞬間、生活が成り立たなくなります。年金は繰り上げ受給していますが、全額NISAに回しているので生活費には使っていません。
「戦力外」と言われる恐怖
嘱託社員という立場は、いつ「戦力外」と言われてもおかしくありません。会社の業績、自分の体力、年齢。どれか一つでも崩れれば、契約は更新されないかもしれない。
この恐怖は常に頭の片隅にあります。「もし今、来月から来なくていいと言われたら」。そう考えると、夜眠れなくなることもあります。
60歳を過ぎると、再就職の選択肢は一気に狭まります。現役時代のようには働けない。給与も大幅に下がる。だからこそ「今、まだ現役で働けている間に、何とかしないと手遅れになる」という焦りが、常に私を動かしています。
退職金に頼れない60代がやるべき3つのこと
退職金をあてにできないと気づいたとき、絶望する必要はありません。やるべきことは明確です。私が実際にやっていることをお伝えします。
①収入源を「複数」にする
一番大切なのは、収入を一つに頼らないことです。給料だけ、年金だけ、という状態が一番危険です。
私の場合、給料・年金(投資に回す)・ブログ副業という3つの柱を作ろうとしています。給料が途絶えても他でカバーできる状態を目指しています。
62歳からAIを使ったブログ副業に挑戦しているのも、「収入源を増やす」ためです。定年後も続けられる収入の仕組みを今のうちに作っておくことが、退職金に頼れない私たちの生命線です。
②今ある収入を1円でも多く投資に回す
退職金がないなら、自分で作るしかありません。私は年金を繰り上げ受給して、その全額・月8万8千円をNISAに投資しています。
「退職金がもらえないなら、自分で退職金を作る」という発想です。今働いて得られる収入の一部を、コツコツ投資に回す。10年ぐらい続ければ、まとまった資産になります。退職金2000万円が最初からない私たちは、時間をかけて自分で作るしかないのです。
③固定費を削減して投資の余力を作る
投資に回すお金を作るには、固定費の削減が欠かせません。私は保険の無料相談を使って、月38,000円だった保険料を月13,000円に削減しました。浮いた月25,000円は、そのまま投資に回しています。
退職金がない分、無駄な支出を徹底的に削る。そして削った分を未来のために投資する。これが退職金に頼れない60代の生存戦略です。
手遅れになる前に|今が分かれ道
60歳を過ぎると、選択肢は確実に狭まります。だからこそ、まだ現役で働けている「今」が勝負です。
「いつかやろう」では手遅れになります。来年には体力が落ちているかもしれない。再来年には今の仕事がないかもしれない。今日が、一番選択肢が多い日なのです。
退職金がないと気づいたときの絶望感はよく分かります。でもそこで立ち止まっていても、何も変わりません。退職金がないなら、自分で作る。収入が一つしかないなら、もう一つ作る。今動けば、まだ間に合います。
まず自分のお金の現状を把握する
退職金に頼れない現実と向き合うには、まず自分のお金の全体像を正確に把握することが第一歩です。
退職金がいくらもらえるのか(あるいはもらえないのか)。年金はいくら受け取れるのか。今の生活費はいくらか。これらを正確に把握しないと、対策の立てようがありません。
一人で計算するのが難しければ、無料FP相談を活用するのが一番早いです。私もFP相談で老後の収支シミュレーションをしてもらい、「このままでは足りない」という現実を数字で突きつけられたことが、行動を始めるきっかけになりました。
退職金に頼れないからこそ、早めに専門家に相談して、自分だけの戦略を立てることが重要です。
まとめ|退職金がなくても道はある
退職金40万円。これが私のリアルです。でも私はそれを悲観していません。
退職金がないなら、自分で作る。収入が途絶える恐怖があるなら、収入源を増やす。手遅れになる前に、今動く。これが退職金に頼れない60代の生き方です。
50歳で全財産90万円になった私が、62歳で複数の収入源を作ろうと動いています。退職金2000万円がなくても、道は必ずあります。
大切なのは、今この瞬間から動き始めることです。退職金がないと嘆くより、今ある時間と体力を使って、自分の手で未来を作る。それが私たちにできる、一番確実な老後対策です。
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