60代の医療費・介護費はいくらかかる?緊急入院と母の介護で 知った現実

60代の医療費と介護費を考えるイメージ画像 老後のお金

60代の医療費・介護費は、現実の問題として重くのしかかってきます。介護費とあわせて「自分や配偶者が大病をしたら一体いくらかかるのか」、読めない金額への不安は夜も眠れなくなるほどです。

私は62歳になるまでに、自分の緊急入院と、母の入退院・看取りの両方を経験しました。医療費・介護費がどれだけかかるのか、身をもって知っています。この記事では、その実体験と公的データをあわせて、60代が直面するお金の現実をお伝えします。


健康に無頓着だった私が緊急入院した話

病院に一度も行かなかった50代前半

50歳で工場を廃業し、自己破産した後、私は5年間ほぼ家にこもっていました。プライドが邪魔をして人前に出られず、ネットで一人もがいていた時期です。

この生活が、私の体を蝕んでいきました。運動はまったくせず、ストレスを抱えたまま家にこもる毎日。気づけば廃業前より10キロも太っていました。

もともと健康には無頓着でした。廃業以前から体のどこかに不調を抱えていたのを覚えています。でも「そのうち治るだろう」と思って、病院には一度も行きませんでした。タバコは1日60本、夜遊びと不摂生。体を大事にするという発想が、当時の私には欠けていました。

潰瘍性大腸炎で緊急入院

体は正直でした。5年間の運動不足とストレスが原因で、私は潰瘍性大腸炎を発症し、緊急入院することになりました。

幸い10日ほどで退院できましたが、あのときの恐怖は忘れられません。医師から運動不足が原因の一つだと言われ、自分がいかに体をないがしろにしてきたかを思い知りました。

この緊急入院が、私の健康への意識を根本から変えました。今では毎年欠かさず健康診断・胃カメラ・大腸カメラを受けています。あのとき入院していなければ、もっと大きな病気で取り返しのつかないことになっていたかもしれません。


母の入退院で知った介護・入院費用の現実

1年間の入退院

私が60歳のとき、母が他界しました。亡くなる前の1年ほど、母は入退院を繰り返していました。つきっきりで介護をしたわけではありませんが、入院にまつわる費用がかさんだことをよく覚えています。

「入院セット」が思いのほか高くついた

特に印象に残っているのが「入院セット」です。入院時に半ば強引に勧められたこのサービスが、思いのほか高くつきました。

入院セットとは、パジャマ・タオル・歯ブラシなどの日用品を、病院が提携業者を通じて日額制で提供するサービスです。一見便利ですが、日額で課金されるため、入院が長引くと積み重なって大きな金額になります。自分で用意すれば数千円で済むものが、トータルで数万円になることも珍しくありません。

病気そのものの治療費以外にも、こうした「見えない費用」が次々と発生します。これが介護・入院費用の怖さだと、母の入退院を通じて実感しました。


60代の医療費は実際いくらかかるのか

私の体験に加えて、公的なデータも見ておきましょう。漠然とした不安を、具体的な数字にすることが対策の第一歩です。

医療費の自己負担

日本には公的医療保険があり、医療費の自己負担は原則1〜3割です。70歳までは原則3割、70〜74歳は原則2割、75歳以上は原則1割(所得により異なる)となっています。

さらに「高額療養費制度」があり、1ヶ月の医療費の自己負担には上限が設けられています。大病をしても、青天井で医療費がかかるわけではありません。この制度を知っているかどうかで、不安の度合いが大きく変わります。

見落とされがちな「保険外」の費用

注意すべきは、公的医療保険が効かない費用です。入院時の差額ベッド代、食事代の一部、私が経験した入院セットのような日用品、通院の交通費。これらは保険適用外で、自己負担になります。

大きな病気そのものより、こうした周辺費用の積み重ねが家計を圧迫することが多いのです。


60代の介護費はいくらかかるのか

介護費用の平均

生命保険文化センターの調査によると、介護に要した費用は月々の費用に加えて、住宅改修や介護ベッドの購入などの一時費用がかかります。介護期間は平均で5年前後とされており、トータルでは数百万円規模になることも珍しくありません。

在宅介護か施設介護かによっても費用は大きく変わります。施設に入居する場合、月々15〜30万円程度かかるケースもあります。

公的介護保険を理解しておく

介護にも公的介護保険があり、要介護認定を受ければ自己負担1〜3割で介護サービスを利用できます。ただし、こちらも保険適用外の費用が発生します。母の入院で経験したように、想定外の出費は必ずあると考えておいた方がいいでしょう。


医療費・介護費に今から備える方法

漠然とした不安に対して、60代の今からできる備えをお伝えします。

①最大の備えは「健康」そのもの

緊急入院を経験した私が断言できるのは、一番のコスト削減は病気にならないことだということです。毎年の健康診断・胃カメラ・大腸カメラで早期発見に努める。適度な運動で体を維持する。これが結果的に、将来の医療費を大きく減らします。

健康診断に年1万円かけることが、将来の数百万円の医療費を防ぐかもしれません。健康への投資は、最も確実なリターンがある投資です。

②高額療養費制度・公的保険を理解する

過剰な不安は、制度を知らないことから生まれます。高額療養費制度や公的介護保険を理解すれば、「青天井でお金がかかる」という恐怖はかなり和らぎます。まずは自分が使える制度を知ることが大切です。

③保険が過不足ないか見直す

医療費・介護費への不安から、必要以上に保険に入っている方も少なくありません。逆に、本当に必要な保障が不足している場合もあります。自分の年齢・家族構成・資産状況に対して、保険が過不足ないかを一度プロに見てもらうことをお勧めします。

私自身、保険の無料相談を使って月38,000円だった保険料を月13,000円に削減できました。浮いたお金を、いざというときのための貯蓄や投資に回す方が合理的な場合も多いのです。


まとめ|医療費・介護費の不安は「知る」ことで減らせる

60代の医療費・介護費への不安は、多くの人が抱えるものです。でもその不安の大半は、「いくらかかるか分からない」という未知から来ています。

緊急入院と母の介護を経験して私が学んだのは、3つです。健康そのものが最大の備えであること。公的制度を知れば過剰な不安は減ること。そして保険を過不足なく整えることが大切だということ。

健康に無頓着で病院にすら行かなかった私が、緊急入院をきっかけに変わりました。同じ後悔をしないために、まずは毎年の健康診断から始めてください。そして自分の保険や備えが適切か、一度見直してみることをお勧めします。


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