「老後のお金、なんとかなるやろ」
そう思っていた時期が、私にもありました。
62歳、製造工場に勤務しながら老後と向き合い続けています。50歳で18年間経営した工場を廃業し、自己破産。全財産が現金90万円になった経験があります。あのとき痛感したのは、無知は命取りになるということです。
お金のことをよく知らないまま過ごしていた結果、私はすべてを失いました。
でも今は違います。年金・NISA・保険・介護費用・副収入。一つひとつと向き合い、62歳なりの老後設計を立てています。まだ完璧ではありません。それでも「知ること」から始めたことで、確実に前に進めています。
この記事は、老後のお金が不安な60代の方に向けた完全ガイドです。対策を7つに整理して、それぞれの詳細記事へ案内します。まずはここを読んで全体像をつかんでください。
なぜ「知ること」が最初の一歩なのか
老後のお金で失敗する人に共通しているのは、**知らないまま行動している(または行動していない)**ことです。
「年金があるから大丈夫」「退職金で何とかなる」「まだ先の話だ」。
この思い込みが、老後破綻への入り口です。
金融審議会の試算によると、夫65歳以上・妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯では、年金収入に頼った生活だと毎月約5万円の赤字が出るとされています。この先20年生きると約1,300万円、30年だと約2,000万円が不足する計算です。 Mhlw
これは「平均的なケース」の話です。退職金がほぼない人、年金が少ない人、介護が必要になった人は、さらに厳しい現実が待っています。
「知ること」から逃げていると、気づいたときには手遅れになる。それが老後のお金の怖さです。
対策を始めるのに遅すぎることはない。でも早いほど選択肢が増える
「60代からでも対策できますか?」という問いに、私はこう答えます。
できます。でも、早ければ早いほど選択肢が増えます。
50代から始めれば、NISAの運用期間が10〜15年取れます。60代から始めても、5〜10年あれば資産は育ちます。70代になってからでは、取れるリスクが限られてきます。
私は61歳からNISAでS&P500・オルカンの積み立てを始め、現在700万円超まで育てることができました。遅いスタートでも、行動すれば結果は出ます。
ただし、60代は時間が有限です。「いつか考えよう」という先送りが、最も高くつく選択です。
老後のお金対策|7つの柱
老後のお金対策は、大きく7つに整理できます。それぞれ詳しく解説した記事がありますので、気になるテーマから読み進めてください。
対策① 年金を正しく理解する
老後の収入の柱は年金です。でも「いくらもらえるか」「いつから受け取るか」を正確に理解している人は意外と少ない。
2025年4月分からの年金額は、国民年金(老齢基礎年金)が月6万9,308円、平均的な収入で40年間厚生年金に加入した夫と専業主婦の妻が満額受給するモデルケースでは夫婦二人分で月23万2,784円とされています。 Heartpage
繰り上げ受給・繰り下げ受給の損益分岐点、在職中に年金をもらうときの注意点(在職老齢年金)など、知らないと損する知識が年金には山ほどあります。
👉 年金は繰り上げと繰り下げどちらが得?60代が知っておくべき損益分岐点の真実
👉 働きながら年金をもらうと損するって本当?在職老齢年金の真実
対策② 老後の生活費を具体的に計算する
「なんとなく不安」から抜け出すには、まず数字を出すことです。
総務省の2024年「家計調査報告」によると、65歳以上の夫婦二人暮らし無職世帯の実収入は月平均25.3万円にとどまる一方、実支出は月28.7万円で、毎月約3.4万円の赤字が生じています。 Japanese Government Online
この不足額を、どう埋めるか。答えは人によって違います。でも計算しなければ、対策の立てようがありません。
👉 老後の生活費を本気で計算してみた|60代夫婦・単身それぞれのリアルな数字
対策③ 固定費を徹底的に見直す
収入が減る老後に最も効くのは、固定費の削減です。
私は保険を見直しただけで、夫婦合計で月2万5千円の削減に成功しました。生命保険を解約し、夫はがん保険+医療保険で月1万円、妻は医療保険のみ月3千円。これだけで年間30万円が手元に残ります。
通信費・光熱費・サブスクリプション。60代の固定費には、見直せる「余地」が必ず潜んでいます。
👉 老後破産しないための家計見直し術|60代が今すぐできる固定費削減の全手順
👉 60代からの保険の見直し方|無駄な保険料を削減して老後資金を守る
対策④ NISAで資産を育てる
年金だけでは足りない。その不足分を補うのがNISAによる資産運用です。
2024年から新NISAがスタートし、年間360万円まで非課税で投資できるようになりました。運用益・売却益に一切税金がかからない。老後資金づくりに、これほど使い勝手のいい制度は他にありません。
「投資は怖い」という方も、まずは仕組みを知ることから始めてください。知らないまま現金だけで持ち続けることも、インフレという形のリスクを背負っています。
👉 NISAを使った老後資金の作り方|60代から始めても遅くない理由と実践方法
対策⑤ 退職金・貯蓄の使い方を設計する
退職金が入った瞬間が、実は最も危ない瞬間です。
まとまったお金が手元に来ると、気が大きくなる。旅行、リフォーム、子どもへの援助。気づけばあっという間に半分以下になっていた、という話は珍しくありません。
退職金と貯蓄には「出口戦略」が必要です。いつから、いくら、どのように使うか。その設計なしに老後は乗り切れません。
👉 退職金の正しい使い方・間違った使い方|もらった瞬間が一番危ない
👉 貯蓄を取り崩すのが怖くて手をつけられない60代へ|700万円から始める出口戦略の現実
対策⑥ 医療費・介護費用に備える
60代以降で最も「想定外」になりやすい出費が、医療費と介護費用です。
65歳以上の1人あたり年間医療費は約60万円。現役世代の約4倍に跳ね上がります。さらに介護が必要になれば、平均で総額500万円超の費用がかかるというデータもあります。
「自分はまだ元気だから」という油断が、最も危険です。元気なうちに備えておくことが、老後のお金を守る最大の防衛策です。
👉 介護費用の現実と今からできる備え|60代が知っておくべきお金の話
対策⑦ 副収入の柱を育てる
年金・貯蓄・節約だけでは、老後の20〜30年を乗り切るのは難しい。そこで重要になるのが、自分で稼ぐ力を維持することです。
60代でも稼げる仕事、AI副業、ブログ収入。私自身が今まさに挑戦しています。大きくなくていい。月5〜10万円の副収入があるだけで、資産の取り崩し速度が劇的に変わります。
👉 60代でも稼げる仕事・働き方の真実|きれいごとなしに本音で語ります
勉強しない人が、一番損をする
老後のお金について、最後にどうしても伝えたいことがあります。
最低限、自分で勉強してください。
「専門家に任せればいい」「銀行や証券会社が教えてくれる」という考えは危険です。彼らはあなたの利益のためではなく、自分たちの利益のために動いています。
自分のお金を守れるのは、最終的には自分だけです。
難しい知識は要りません。年金がいくらもらえるか。老後に月いくら必要か。NISAの非課税メリットがどれくらいか。この3つを知っているだけで、対策の選択肢がまったく変わってきます。
50歳で破産し、全財産90万円になった私が言います。無知は命取りです。でも知れば、必ず道は開けます。
まとめ|今日から始める老後のお金対策
| 対策 | 今すぐできること |
|---|---|
| ①年金を理解する | ねんきん定期便を確認する |
| ②生活費を計算する | 月の支出を書き出してみる |
| ③固定費を見直す | 保険証券を引っ張り出す |
| ④NISAを活用する | NISA口座を開設する |
| ⑤退職金・貯蓄を設計する | 出口戦略を考え始める |
| ⑥医療費・介護費に備える | 介護保険の内容を確認する |
| ⑦副収入を育てる | 自分にできることを一つ探す |
一度に全部やろうとしなくていいです。一つでいいから、今日始めてください。
知ることから逃げない人が、老後を生き抜きます。
※本記事の年金・統計データは執筆時点の公的資料に基づいています。制度は変更される場合があります。
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