老後破綻する人に共通する「自分は大丈夫」という思い込み|62歳の実録

老後になってはいけないことのイメージが象 老後のお金

「年金ももらえるし、貯蓄もそこそこある。自分は大丈夫だろう」

この考え方が、老後破綻への入り口です。

62歳、製造工場に勤務しながら毎月の家計と向き合い続けています。住宅ローン約7万円、電気代約2万5千円、保険1万3千円、息子の専門学校授業料9万5千円、病院代約1万円、通信費約1万円。給料30万円と年金8万8千円を合わせても、毎月残るお金はほとんどありません。

この現実を見れば、「年金だけで老後を生き抜ける」という幻想がいかに危ういか、骨身に染みてわかります。

私には50歳で工場を廃業し、自己破産して全財産が現金90万円になった経験があります。そのときの最大の反省は一言で言えます。お金を雑に扱い、長い目で考えていなかった。

今日は、その経験を踏まえて「老後に詰む人と生き残る人の決定的な違い」を正直に書きます。


年金8万8千円という現実

私は61歳から年金を繰り上げ受給しています。月額は8万8千円。

繰り上げを選んだ理由は明確です。65歳まで待つと年間約4.8%ずつ減額されますが、その4年間をNISAで運用することで年利15%以上を狙えると判断しました。リスクは十分に理解した上での判断です。繰り上げ受給のメリット・デメリットの詳細はこちらの記事で詳しく解説しています。

ただし、現実として月8万8千円は決して余裕のある金額ではありません。年金だけで生活しろと言われたら、今の生活水準では到底無理です。

年金だけで生活できる人と、そうでない人の差は老後になって突然生まれるものではなく、現役時代からの選択の積み重ねによって決まります。

これは私自身の経験からも、強く同意できる言葉です。

破綻する人に共通する「3つの思い込み」

周りの同世代を見ていて、「この人はちょっと危ないな」と感じる人には共通点があります。

思い込み①「今の貯蓄があれば大丈夫」

「退職金も入るし、貯蓄も1,000万円ある。年金もあるから大丈夫」と言う人がいます。でも、その計算にインフレが入っていない。

1,000万円の現金を銀行に預けたままにしておくと、年2〜3%のインフレが続けば10年で実質的な価値は2〜3割目減りします。数字は変わらなくても、買えるものが減っていく。これが「多寡をくくっている」人が陥る落とし穴です。

私がNISAでS&P500・オルカン中心に投資し続けているのは、まさにこのインフレリスクに対抗するためです。

思い込み②「長生きしないだろう」という根拠のない楽観

日本人の健康寿命は男性72.57歳、女性75.45歳(2022年時点)。平均寿命と健康寿命の差は男性で約8年、女性で約12年あります。

65歳時点での平均余命は男性19.47年、女性24.38年です。

つまり、65歳で退職した男性は平均84歳まで生きる計算になります。「そんなに長生きしないだろう」は、統計的に見れば根拠のない楽観です。老後資金は「最低でも20年分」を想定して設計する必要があります。

思い込み③「医療費はそんなにかからない」

厚生労働省の統計によると、65歳以上の1人あたり年間医療費は約60万円に上ります。一方、65歳未満では約14万5千円です。

65歳を境に、医療費は約4倍に跳ね上がる。さらに介護が必要になれば、介護にかかる費用は一時的な費用が平均47万円、月額費用は平均9万円、介護期間は平均4年7ヶ月で、総額は約542万円になるという試算もあります。

私が母の介護をしていた約1年間、月約7万円の費用がかかりました。「親のためだから」と思っていても、その先の自分たちの老後を考えると、不安が積み重なっていきました。医療費・介護費の備え方についてはこちらの記事で詳しくまとめています。


生き残る人に共通する「たった一つのこと」

では逆に、「この人は老後も大丈夫そうだな」と感じる人の共通点は何か。

周りを見ていて気づいたことがあります。

健康を第一に考えている人は、お金の面でも安定しています。

理由は単純です。健康であれば働き続けられる。働き続ければ収入が途切れない。医療費もかからない。体が動けば、副収入の選択肢も広がる。健康はそれ自体が「最大の資産」なのです。自分の体に投資するという習慣が、長期的には最も高いリターンをもたらすと信じているからです。


「働ける体」をどう維持するかが最大のカギ

65歳以降も「働けるなら働く」という選択肢を、最初から排除しないことが重要です。

私自身、現時点では65歳での完全リタイアは難しいかもしれないと感じています。しかし、それは敗北ではありません。65歳以降も月5〜10万円の収入があれば、NISAの取り崩し速度を大幅に落とせる。資産の寿命が10年単位で変わってきます。

そのためには、65歳になっても「雇ってもらえる体・スキル」が必要です。今から準備できることを整理すると、

  • 持病の管理・予防(定期検診を欠かさない)
  • 体力の維持(週に数回の軽い運動)
  • スキルのアップデート(私の場合はAI副業)
  • 人間関係の維持(孤立しないこと)

これらは全部、今日から始められることです。


「今すぐ行動する」か「詰む」かの二択

老後のお金で不安を感じている同世代に、一番伝えたいことがあります。

今すぐ対策を考えて、すぐに行動することです。

「もう少し様子を見てから」「退職してから考えよう」という先送りが、最も危険な選択です。60代は時間が有限です。50歳のときの私のように「まだ時間がある」という余裕は、62歳にはありません。

年金だけで生活できる人と、できない人の違いは運ではありません。知って、考えて、準備したかどうかの差です。 Famore

「自分は大丈夫」という思い込みを今すぐ捨てること。現実の数字と向き合うこと。そして一つでもいいから行動を起こすこと。

老後の家計全体の見直し方についてはこちらの記事で詳しくまとめています。

まとめ|老後に詰む人と生き残る人の違い

詰む人 生き残る人
「自分は大丈夫」と思い込む 現実の数字と向き合う
お金を雑に扱う お金をシビアに管理する
短期的にしか考えない 20年・30年先を見据えて設計する
健康を後回しにする 健康を最大の資産として投資する
年金だけを頼りにする 複数の収入源を育てる
先送りし続ける 今すぐ行動する

50歳で全財産90万円になった私が言えることは一つです。

真剣に向き合わなければ、完全に詰みます。でも向き合えば、必ず道は開けます。


※ 本記事の年金・医療費・統計データは執筆時点の公的資料に基づいています。制度は変更される場合があります。個別の状況については専門家にご相談ください。

老後のお金対策の全体像は、こちらの完全ガイドにまとめています。
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