60代になると、住まいの問題が現実になってきます。30代・40代で建てた家がちょうどガタが来る時期。外壁、水回り、屋根。直すとなれば数百万円が飛んでいきます。バリアフリー化が必要になっても、お金がなければ手がつけられません。
私は自己破産で一度持ち家を失い、その後56歳で築20年の中古住宅を妻名義で買いました。そしてリフォームに400万円かけました。この経験から、60代の住まいのお金について、リアルにお伝えします。
自己破産で持ち家を失った私が、もう一度家を買った理由
持ち家への執着はなくなっていた
50歳で工場を廃業し、自己破産したとき、それまで住んでいた持ち家は競売にかけられました。家を失うというのは、人生でそうそう経験することやありません。あのときの喪失感は、今でも忘れられへん。
でもその経験を経て、私自身は持ち家とか住むところに対する執着が、すっかりなくなっていました。賃貸でええやんか、住めればどこでもええ、と。家にこだわって苦しんだ分、もう物理的なものに縛られたくなかったんやと思います。
妻の夢をかなえたかった
でも、妻は違いました。妻はどうしても、もう一度持ち家に住むことにこだわっていたんです。
自己破産のとき、妻は何も言わずに私を支えてくれました。家を失うときも、競売の手続きが進むときも、文句一つ言わへんかった。子どもたちの転校もあった。それだけの苦労をかけた妻が、唯一こだわっていたのが「もう一度、自分たちの家に住みたい」という願いでした。
その夢だけは、なんとしてもかなえてやりたかった。自分は持ち家に興味がなくなっていても、妻のその願いを聞いてやれるなら、もう一度家を買おう。そう決めました。
築20年の中古住宅をリフォーム400万円で蘇らせた
なぜ中古を選んだのか
56歳のとき、妻名義で家を買いました。選んだのは新築やありません。築20年の中古、鉄骨3階建ての住宅です。
自己破産から再起した身です。新築を買えるような余裕はありません。でも中古なら、手の届く価格で持ち家の夢をかなえられる。築20年でも、しっかりした鉄骨造やったら、まだまだ長く住めます。
リフォーム400万円を住宅ローンに含めた
ただ、築20年ともなると、そのままでは住めない部分も出てきます。そこでリフォームに約400万円をかけました。
ここで工夫したのが、このリフォーム費用を全部、住宅ローンに含めてもらったことです。リフォーム代を別途現金で用意するのは、当時の我が家には無理でした。でも住宅ローンに組み込めば、月々の返済の中でまかなえる。これで、まとまった現金を用意せずに、家をきれいに蘇らせることができました。
結果として、月々の住宅ローンは6万円。それまで払っていた家賃8万円より、むしろ安くなりました。リフォーム代込みでこの金額に収まったのは、ほんまにありがたかった。
60代の住まいで考えておくべき現実
私の体験を踏まえて、60代が住まいで直面する現実をお伝えします。
持ち家は買って終わりやない
持ち家を持つと、ローンを払い終えても出費は続きます。固定資産税、火災保険、そして何より修繕費です。外壁塗装、屋根の補修、水回りの交換。築年数が経つほど、こうした費用は避けられません。
「ローンを完済したら住居費はゼロ」と思っている人もいますが、それは違います。持ち家には持ち家の維持費がかかる。これを老後の家計に織り込んでおかんと、後で慌てることになります。
バリアフリー化という難題
もう一つ、60代が直面するのがバリアフリーの問題です。我が家は鉄骨3階建てで、寝室は1階、リビングと風呂は2階にあります。正直なところ、この間取りでバリアフリー化するのはなかなか難しい。
足腰が弱ってきたとき、階段の上り下りは大きな負担になります。手すりをつけるくらいはできても、間取りそのものを変えるのは大工事になる。中古住宅を買うときは、将来のバリアフリー化のしやすさまで考えておくべきやったな、というのは一つの反省点です。
賃貸か持ち家か、正解は人それぞれ
自己破産を経験した私自身は、持ち家への執着がなくなりました。賃貸の方が身軽でええという考えもあります。一方で、妻のように「自分の家」に強い思いを持つ人もいます。
賃貸か持ち家か、これに絶対の正解はありません。大事なのは、自分たち家族にとって何が一番大切かを話し合って決めることやと思います。我が家は「妻の夢をかなえる」という答えを選びました。
住まいのお金で後悔しないために
60代が住まいで後悔しないために、考えておきたいことをお伝えします。
①修繕費を見込んでおく
持ち家なら、将来の修繕費を必ず家計に織り込んでおいてください。外壁・屋根・水回りの大規模修繕は、まとまった金額になります。「いつか必要になる」ではなく「必ず必要になる」ものとして、少しずつでも積み立てておくと安心です。
②リフォームはローンに組み込める場合がある
中古住宅を買ってリフォームする場合、私のようにリフォーム費用を住宅ローンに含められるケースがあります。まとまった現金がなくても、月々の返済でまかなえる。住宅ローン金利は他のローンより低いことが多いので、現金がない場合は検討する価値があります。
③将来の体の変化を見越して選ぶ
家を買う・リフォームするなら、今の体やなくて、10年後・20年後の体を見越して考えてください。階段の上り下り、段差、風呂やトイレの位置。元気なうちは気にならなくても、足腰が弱ったときに大きな差になります。私のように後で「しまった」とならんように。
まとめ|住まいは家族の答えを選ぶもの
自己破産で持ち家を失った私が、56歳でもう一度家を買いました。築20年の中古に400万円のリフォーム。それは、何も言わずに支えてくれた妻の夢をかなえるためでした。
60代の住まいには、修繕費・バリアフリー・住み替えと、お金にまつわる課題がついて回ります。でも一番大事なのは、損得勘定だけやないと思うんです。自分たち家族にとって、どんな住まいが幸せか。それを話し合って答えを出すこと。
我が家にとっての答えは、妻が笑顔で暮らせる家でした。月6万円のローンで、その夢がかなった。あのとき無理してでも家を買ってよかったと、今は心から思っています。
👉 無料FP相談おすすめ3選|62歳が実際に使って分かった正直な感想と選び方


コメント