夫婦のどちらかが必ず先に逝く。当たり前のことやけど、これを正面から考えるのは、なかなかしんどいものです。特に残された方が一人で生きていく生活費のことを考えると、不安は尽きません。
私は62歳、妻は45歳。17歳の年の差があります。普通に考えれば、私が先に逝く可能性が高い。だからこそ私は「自分がいなくなった後、妻が安心して暮らせるか」を、常に考えています。この記事は、その備えについての記録です。
17歳年下の妻を残して逝けない
自分のことより、妻のこと
正直なところ、自分が一人になることはあまり考えていません。「自分のことは何とかなるやろ」くらいにしか思っていない。男はそんなもんかもしれません。
でも妻のことになると話は別です。私が先に逝った後、17歳年下の妻が一人で生きていかなあかん。その期間は、下手したら20年、30年と続くかもしれない。そのとき妻がお金で困らへんように。これだけは、なんとしてもやっておきたいんです。
苦労をかけ続けた妻への思い
私が人生のどん底にいたとき、妻は何も言わずに支えてくれました。家を手放すことになっても、子どもたちが転校することになっても、文句一つ言わへんかった。あのとき妻がいてくれへんかったら、今の私はいません。
これだけ苦労をかけた妻に、せめて自分が元気なうちに、できる限りのことをしてやりたい。私がいなくなっても、妻が笑顔で安心して暮らせるように。それが今の私を動かす、一番の原動力です。
知っておくべき遺族年金の改正
妻のための備えを考えるなら、まず遺族年金の制度を正しく知っておく必要があります。最近、この制度に大きな改正がありました。
遺族厚生年金が「5年有期」に変わる
2025年6月に成立した年金制度改正で、遺族厚生年金が見直されました。これまで終身で受け取れていた遺族厚生年金が、原則5年間の有期給付に変わります。施行は2028年4月の予定です。その代わり、受給額は従来より手厚くなる仕組みになっています。
「5年で打ち切りになるんか!」と驚くかもしれませんが、落ち着いてください。ここが大事なところです。
全員が対象になるわけやない
この5年有期化の対象は、限定的です。新たに対象となるのは、主に2028年度末時点で40歳未満で、子どものいない現役世代です。つまり、若くして配偶者を亡くした、子どものいない人が中心です。
うちの場合、妻は現在45歳。施行時点でも40歳未満には該当しません。さらに、40歳から65歳の妻には中高齢寡婦加算という上乗せの仕組みもあります。ですから、妻の世代がこの5年有期化で即座に大きな影響を受けるわけではなさそうです。
ただし、中高齢寡婦加算は今後25年ほどかけて段階的に廃止される予定です。制度は確実に縮小の方向に向かっている。だからこそ「遺族年金だけに頼る」のは危険やと、私は考えています。
妻が一人になっても安心できるように|私がやっていること
制度に頼りきれないなら、自分で備えるしかありません。私が妻のために今やっていることをお伝えします。
①とにかく資産を増やす
一番に考えているのは、資産をできるだけ増やしておくことです。私がいなくなっても、妻が取り崩しながら安心して暮らしていけるだけの資産。それを今、元気なうちに作っておきたい。
年金の全額をNISAに回しているのも、固定費を切り詰めているのも、AI副業に挑戦しているのも、突き詰めれば全部この一点につながっています。自分の老後のためというより、「妻に残すため」という思いの方が強いかもしれません。
②妻自身にもNISAで積み立てさせる
もう一つ大事にしているのが、妻自身にもNISAで資産形成をしてもらうことです。妻名義の口座で、できる限り積み立てを続けてもらっています。
私の資産を残すだけやなくて、妻自身が自分の資産を持っておく。これが大事やと思うんです。私がいなくなった後も、妻名義で育てた資産があれば、それが妻自身の支えになります。夫婦それぞれが資産を持っておくことが、おひとり様リスクへの備えになります。
③妻が一人でも管理できる形にしておく
もう一つ意識しているのが、私がいなくなっても妻が一人でお金を管理できる状態にしておくことです。どこにどんな資産があるか、年金はどう受け取るか、保険はどうなっているか。これを妻と共有しておかんと、いざというとき妻が困ってしまう。
お金の話は夫婦でもしにくいものですが、元気なうちに少しずつ共有しておく。これも立派なおひとり様対策やと思います。
おひとり様の生活費で考えておくべきこと
残された配偶者が一人で暮らすとき、お金の面で押さえておくべきポイントをお伝えします。
固定費は一人になっても半分にならない
見落としがちなのが、一人になっても生活費が単純に半分にはならないという点です。家賃や住宅ローン、光熱費の基本料金、通信費。こうした固定費は、二人でも一人でもそれほど変わりません。食費くらいは減りますが、全体としては想像より減らないものです。
だから「一人になったら生活費も半分」という前提で考えると、後で足りなくなります。
遺族年金+自分の年金+資産で考える
残された配偶者の収入は、遺族年金だけやありません。自分自身の年金もあります。これに加えて、夫婦で築いた資産を取り崩していく。この3つを合わせて、生活が成り立つかを計算しておく必要があります。
一度、専門家に「自分が先に逝った場合、妻の収入と支出はどうなるか」をシミュレーションしてもらうと、必要な備えがはっきり見えてきます。私もFP相談で家計全体を整理してもらったことが、備えを具体化するきっかけになりました。
まとめ|残される人のために、今できること
夫婦のどちらかが必ず先に逝く。その後、残された方が一人で生きていく。これは避けられない現実です。だからこそ、元気な今のうちに備えておくことが、何よりの愛情やと私は思います。
遺族年金の制度は縮小の方向に向かっています。制度だけに頼らず、資産を増やし、配偶者自身にも資産を持ってもらい、一人でも管理できる状態にしておく。これが私が17歳年下の妻のためにやっている、おひとり様対策です。
自分のことは後回しでええ。とにかく妻が、私がいなくなっても安心して笑顔で暮らせるように。その一心で、今日もコツコツ備えを続けています。同じように大切な人を残していく方の、参考になれば嬉しいです。
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