老後のお金の話をするとき、多くの人が「何歳まで生きるか」を考えます。でも本当に大事なのは、そこやないんです。「何歳まで自分の足で動けるか」、つまり健康寿命の方なんです。
体が動かなくなった後の生活費。ただ生きるためだけにかかるお金。これこそが、老後の最大の不安かもしれません。私がこのことに気づいたのは、ある計算をしていたときでした。
年金の繰り上げを計算していて気づいたこと
「何歳まで生きれば得か」を調べていた
私は61歳から年金を繰り上げ受給しています。その判断をする前、「何歳まで生きれば繰り上げが得なのか」を必死に調べていました。損益分岐点というやつです。
繰り上げ受給は早くもらえる代わりに減額される。繰り下げは遅くもらう代わりに増額される。だから「何歳まで生きるか」で損得が変わる。そう思って、平均寿命をもとに計算していました。
「寿命」で考えても意味がなかった
でも計算しているうちに、ふと気づいたんです。「待てよ、単純に寿命で考えても意味ないやんか」と。
仮に90歳まで生きるとして、でもそのうち最後の10年が寝たきりやったら? その10年は、自由にお金を使って人生を楽しむどころか、ただ生きるためだけにお金が出ていく期間になる。むしろ介護費・医療費で出費は増える一方や。
大事なのは寿命やない。健康寿命や。自分の足で歩いて、自分のことを自分でできる期間がどれだけあるか。これで考えへんかったら、年金の損得勘定も、老後の生活設計も、全部ピントがずれてしまう。これに気づいたときは、ちょっと衝撃やった。
健康寿命と寿命のギャップという現実
平均で約10年の差がある
厚生労働省のデータによると、日本人の平均寿命と健康寿命の間には、約10年前後の差があるとされています。つまり多くの人が、人生の最後の約10年を、何らかの介護や支援を必要としながら過ごすということです。
この10年間が、お金の面で一番重くのしかかります。自分で動けないから、人やサービスの手を借りる。そのすべてにお金がかかる。医療費・介護費・生活支援の費用が、収入のない時期に集中して襲ってくるわけです。
「ただ生きる」ためのお金
体が動かなくなると、これまで自分でできていたことが全部お金に変わります。料理ができなくなれば配食サービス。掃除ができなくなれば家事代行。風呂に入れなくなれば介助。買い物に行けなくなれば宅配。一つひとつは小さくても、積み重なると相当な金額になります。
これが「健康寿命が尽きた後の生活費」の正体です。楽しむためのお金やなくて、ただ生きていくためだけに消えていくお金。これが一番こたえるんちゃうかと思います。
体にガタが来る年齢になったと身をもって知った
私自身、50歳で自己破産した後、5年間家にこもっていた生活がたたって、潰瘍性大腸炎で緊急入院しました。運動不足とストレスが原因でした。
そのとき「ああ、もう体にガタが来る年齢になったんやな」と、身をもって思い知りました。若い頃は無茶しても回復したけど、もうそんな体やない。一度崩したら戻すのに時間がかかる。下手したら戻らへんかもしれん。
あの入院が、私の健康に対する考え方を完全に変えました。お金をいくら貯めても、動ける体がなかったら意味がない。動ける体こそが、一番の財産なんやと。
寝たきりにならないために毎日続けている3つの習慣
「寝たきりだけにはなりたくない」。これが今の私の正直な気持ちです。そのために、毎日続けていることがあります。難しいことやありません。誰でもできることです。
①どんな方法でもいいから毎日汗をかく
とにかく毎日、何かしらの方法で汗をかくようにしています。ウォーキングでも、軽い運動でも、方法は何でもええ。大事なのは「毎日続ける」ことです。汗をかくと代謝が上がるし、何より気持ちがええ。これを習慣にするだけで、体は確実に変わります。
②体が固まらないように毎日ストレッチ
年を取ると、体がどんどん固くなります。固くなると動かしにくくなって、動かさへんからさらに固くなる。この悪循環を断ち切るために、毎日ストレッチをしています。
朝起きたとき、寝る前、テレビを見ながらでもええ。体を伸ばす習慣をつけるだけで、動ける体を保てます。柔らかい体は、転倒予防にもつながります。高齢者の寝たきりは、転倒がきっかけになることも多いですからね。
③心肺機能を衰えさせないトレーニング
もう一つ大事にしているのが、心肺機能を保つことです。少し息が上がるくらいのトレーニングを取り入れています。
たとえばジャンピングスクワット。これは短時間でもかなり効果があると思います。長時間やる必要はありません。短くても、息が少し上がるくらいの負荷をかける。これで心肺機能の衰えを防げます。ゼーゼー言うのは最初だけ。続けるうちに、階段を上っても息切れせえへん体になります。
動ける体を維持することが最強の老後対策
今さらながら、つくづく思います。動ける体を維持することが、一番大事やと。
お金の対策ももちろん大事です。NISAも、保険の見直しも、副業も、全部やってます。でも、それと同じか、それ以上に大事なんが健康なんです。
考えてみてください。健康寿命が10年延びれば、その10年は介護費・医療費がかからへんだけやない。その間も働いて収入を得られるかもしれん。趣味を楽しめるかもしれん。健康は、支出を減らして収入を生む、最強の資産なんです。
毎日の運動・ストレッチ・トレーニングは、お金がかかりません。タダです。でもそのリターンは、何百万円もの医療費・介護費を防ぐかもしれない。こんなにコスパのええ投資は、他にありません。
まとめ|お金を貯める前に、動ける体を守る
老後の生活設計を考えるとき、寿命やなくて健康寿命で考える。これが私が年金の計算をしていて気づいた、一番大事なことでした。
体が動かなくなった後の生活費は、ただ生きるために消えていくお金です。この期間を短くすること、つまり健康寿命を延ばすことが、老後最大のお金対策になります。
潰瘍性大腸炎で緊急入院した私が、今は毎日汗をかいて、ストレッチをして、心肺機能を鍛えています。寝たきりにだけはなりたくない。その一心です。
お金を貯めることも大事。でもその前に、いや、それと同時に、動ける体を守ってください。それが、一番確実で、一番コスパのええ老後対策やと、62歳の私は本気で思っています。
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