「退職金、あなたはいくらもらえる予定ですか?正直に計算したことはありますか?私の退職金は雀の涙ほどです。でもそれが現実であることを受け入れた上で、どう備えるかを真剣に考えてきました。退職金が多い人も少ない人も、もらった瞬間の使い方で老後が大きく変わります。その現実をお伝えします。」
退職金の現実から目を背けないでください
まず現実を直視しましょう。
厚生労働省の調査によると、退職金の平均額は以下の通りです。
| 企業規模 | 大卒平均退職金 | 高卒平均退職金 |
|---|---|---|
| 大企業(1000人以上) | 約2,500万円 | 約2,100万円 |
| 中堅企業(300〜999人) | 約1,700万円 | 約1,400万円 |
| 中小企業(30〜299人) | 約1,100万円 | 約900万円 |
「平均2000万円か、うちも大丈夫やな」と思った方、ちょっと待ってください。
これはあくまで平均です。中小企業勤務の方や、転職を繰り返してきた方は退職金制度自体がない会社も多い。私自身、退職金は雀の涙ほどです。これが中小企業で働いてきた多くの方の現実ではないでしょうか。
退職金をもらった瞬間が一番危ない
退職金で失敗する人のほとんどが、もらった直後にやらかします。
なぜか。それは退職金という「まとまったお金」を手にした経験が人生で初めてだからです。
銀行口座に突然1000万円が振り込まれる。今まで見たことのない金額です。「なんか自分、お金持ちみたいやな」という錯覚が起きます。この錯覚が一番怖い。
退職金でよくある失敗パターン
失敗① 銀行の言いなりになる
退職金が振り込まれると、銀行から必ず連絡が来ます。「資産運用のご提案があります」と。そこで勧められるのが手数料の高い投資信託や保険商品です。
銀行員は親切そうに見えますが、彼らには販売ノルマがあります。あなたのためではなく、銀行のために動いています。退職金をそのまま銀行に預けて「運用しましょう」という話には絶対に乗らないでください。
失敗② 一度に全額使ってしまう
「長年頑張ってきたご褒美に」と高級車を買ったり、豪華な旅行に行ったり。気持ちは分かります。でも退職金は老後の生活を支える大切な資金です。一度に大きな買い物をすると、後で後悔することになります。
失敗③ 子どもへの援助に使い切る
子どもの住宅購入や結婚費用の援助に退職金を使い切ってしまうケースがあります。子どものためという気持ちは素晴らしいですが、自分の老後資金がなくなれば最終的に子どもに迷惑をかけることになります。
失敗④ 詐欺に遭う
退職金をもらったタイミングを狙った詐欺が増えています。「元本保証で年利10%」「絶対に儲かる投資」という話は100%詐欺です。絶対に関わらないでください。
「退職金にかかる税金を知っておく」
退職金をもらう時に見落としがちなのが税金です。
退職金には「退職所得控除」という大きな控除があります。これを知っているかどうかで手取り額が大きく変わります。
退職所得控除の計算方法
勤続年数によって控除額が変わります。
| 勤続年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円×勤続年数(最低80万円) |
| 20年超 | 800万円+70万円×(勤続年数-20年) |
具体的な計算例
勤続30年で退職金1000万円の場合:
- 退職所得控除額:800万円+70万円×10年=1500万円
- 退職所得:(1000万円-1500万円)÷2=0円
- つまりこの場合、税金はゼロです
勤続年数が長いほど控除額が大きくなるため、長く勤めた方ほど税金が有利になります。
ただし注意点があります。iDeCoの一時金受け取りと退職金を同じ年に受け取ると控除が重複して税負担が増えるケースがあります。受け取り時期は事前に税理士や会社の担当者に確認してください。
退職金の正しい使い方
では退職金をどう使えばいいのか。私が考える正しい使い方をお伝えします。
① まず全額使わないことを決める
退職金をもらったら、まず「全額は使わない」と心に誓ってください。私も退職金は少ないですが、全額を備えとして残すつもりでいます。
使っていいのは全体の10〜20%以内です。残りは老後資金として確保してください。
② 緊急予備費として確保する
退職金の一部を緊急予備費として普通預金に置いておいてください。目安は生活費の6ヶ月分です。
急な病気・怪我・家の修繕など、突然の出費に対応できる現金は必ず手元に残しておく必要があります。
③ NISAで長期運用する
緊急予備費を確保した残りはNISAを活用して長期運用しましょう。一度に全額投資するのではなく、毎月少しずつ積み立てていくことが大切です。
私は年金を全額NISAに回していますが、退職金も同じ考え方で運用することをおすすめします。
④ 住宅ローンの繰り上げ返済を検討する
住宅ローンが残っている方は繰り上げ返済も有効な選択肢です。ローンの利息分が確実に節約できます。ただし手元に現金が残らなくなるリスクもあるので、全額繰り上げ返済するのは避けてください。
退職金が少ない・ない人はどうすればいいか
「退職金なんてほとんどない」という方も多いと思います。私もそうです。
でも退職金が少ないからこそ、今から少しずつ準備することが大切です。
退職金に頼れない分を補う方法は以下の通りです。
- NISA・iDeCoで積み立て投資を続ける
- 副収入で収入の柱を増やす
- 固定費を削減して老後資金を積み上げる
- できるだけ長く働いて収入を確保する
退職金が少ないことは確かに不利です。でも知っている人と知らない人では、同じ状況でも10年後の結果が全然違います。今日からできることを一つずつやっていきましょう。
まとめ
退職金について正直にまとめます。
- 退職金の平均額は企業規模によって大きく異なる
- もらった瞬間が一番危ない、銀行の言いなりにならない
- 全額は使わない、10〜20%以内に抑える
- 緊急予備費を確保してからNISAで長期運用
- 退職金が少なくても今からの準備で差は縮められる
退職金は老後の大切な資金です。もらった瞬間の判断で老後が大きく変わります。焦らず、冷静に、賢く使いましょう。
次回は60代でも稼げる仕事・働き方についてお伝えします。一緒に着実に前に進んでいきましょう!
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