退職後に収入がなくなる恐怖とどう向き合うか|自己破産から再起した62歳の実録

副収入・AI副業

「退職したら収入がゼロになる。そう思うと、夜も眠れない」

そんな不安を抱えている60代は、決して少なくないと思います。

私も今、その恐怖の入り口に立っています。62歳、製造工場に勤務しながら、65歳での退職を視野に入れている。でも正直に言えば、「あと3年弱」という現実は、今もじわじわと私を焦らせています。

ただ、私にはもう一つ、別の経験があります。

50歳のとき、18年間経営してきた金属加工の工場を廃業し、自己破産を選びました。全財産90万円。文字通り、収入ゼロどころかすべてを失った日があります。

その経験があるから言えることがある。収入ゼロの恐怖は、想像よりずっとリアルです。でも、乗り越えられないわけじゃない。今日はその話を、包み隠さず書きます。


50歳・廃業の朝に浮かんだのは「迷惑をかけたくない」だった

18年間、鉄・ステンレス・アルミの産業用部品を作り続けてきた工場を閉めると決めたとき、最初に頭に浮かんだのは自分のことじゃありませんでした。

「取引先に迷惑だけはかけたくない」

これだけでした。

経営者として18年。お世話になった仕入れ先、発注してくれたお客さん、一緒に働いてくれた人たち。その人たちへの責任だけが、頭の中をぐるぐると回っていました。

廃業を決めたあとの日々、私は24時間、家族をどう養うかを考え続けました。文字通り、46時中。眠れない夜が続きました。

でも同時に、もう一つの感情もありました。

プライドです。

18年間、経営者として生きてきた人間が、今さら人に雇われるのか。その葛藤が、動けない自分を作っていた。今振り返れば、あのプライドは完全に邪魔でした。でも当時は、そのプライドを捨てることが、どれほど難しかったか。

同じ思いを抱えている方が、きっとこの記事を読んでいると思います。


自己破産、全財産90万円。それでも家族は生きていた

廃業後、私は自己破産を選びました。

負債を整理するための、現実的な選択でした。でも自己破産とは、文字通りすべてを失うことです。事業も、資産も、社会的な信用も。

手元に残ったのは、現金で90万円ほど。それが全財産でした。

ただ、一つだけ「助かった」ことがありました。自宅が競売にかかるまでの間、ただで住み続けられたのです。競売の手続きには時間がかかる。その期間、家賃がかからなかったことで、食費だけ何とかすれば生活できた。

これは知っておいて損のない現実です。自己破産しても、すぐに路頭に迷うわけじゃない。

とはいえ、口座残高が目に見えて減っていく日々は、精神的にきつかった。「このままでは詰む」という感覚は、何度も頭をよぎりました。


ネットビジネスへの「逃げ」と、せどりで救われた話

再就職しなければという焦り。でも経営者のプライドが邪魔をする。

そのせめぎ合いの中で出会ったのが、ネットビジネスでした。今思えば、あれは「逃げ」だったかもしれません。雇われることへの抵抗感から、自分でできることを探した結果、アフィリエイトとせどりに行き着いた。

アフィリエイトは、200サイト以上作って、ほぼ成果なし。

5年間、約80万円を自己投資して、回収できませんでした。この失敗の話は別の記事に詳しく書いています。本当に苦い経験です。

ただ、せどりは違いました。

身の回りにあるものを売り始めると、すぐに売れ出した。感覚が合っていたんだと思います。次第に月商80〜100万円まで育てることができた。自己投資約30万円を、十分に回収できました。

収入ゼロの恐怖を和らげてくれたのは、最終的には「小さな成功体験」でした。アフィリの失敗が続く中でも、せどりで「売れた」という感覚が、私を踏みとどまらせてくれた。


50歳と62歳、「収入ゼロの恐怖」はどう違うのか

55歳で製造工場に就職し、今は手取り約30万円をいただいています。61歳からは年金の繰り上げ受給も始め、月8万8千円が入ってきます。NISAでS&P500・オルカン中心に運用し、年利15%以上を維持できています。

客観的に見れば、50歳のときよりずっとマシな状況です。

でも、正直に言います。

今のほうが、焦っています。

50歳のときは、状況は最悪でした。でも残された時間がまだあった。どこかに余裕があった。「やり直せる」という感覚が、心の底にあった。

62歳の今は違います。あと3年弱で65歳。時間の有限さが、肌でわかる。本音を言えば、もう少し時間が欲しかった。65歳での完全リタイアは、正直、難しいかもしれないとも感じています。

これは負け惜しみじゃありません。同世代の方に、リアルを伝えたくて書いています。


「収入ゼロ」に備えるために、今からできること

では、具体的に何をすべきか。私の経験と現在の取り組みから、整理してみます。

① 支出の「固定費」を今すぐ把握する

収入がなくなったとき、真っ先に効くのは固定費の削減です。私は保険を見直しただけで、夫婦合計で月2万5千円の削減に成功しました。生命保険を解約し、夫はがん保険6千円+医療保険4千円、妻は医療保険3千円のみ。

「保険は手厚いほど安心」という思い込みは、老後のお金を確実に削ります。60代の保険の見直し方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

② 年金の受け取り設計を正確に理解する

私は61歳から繰り上げ受給を選び、月8万8千円を受け取っています。繰り上げか繰り下げか、どちらが得かは個人の状況によって変わります。在職中に年金をもらう場合、減額されるのは厚生年金のみで、国民年金は対象外という点も重要です。

年金の受け取り戦略についてはこちらの記事で詳しく書いています。

③ 「ゼロになっても動ける」小さな収入源を育てておく

私がせどりで救われたように、給料以外の収入の種を、退職前から育てておくことが重要です。大きくなくていい。月数万円でも、「自分で稼げる」という感覚が、収入ゼロの恐怖を和らげてくれます。

私が今取り組んでいるAI副業・ブログ運営の実録はこちらで公開しています。

④ NISAで「お金に働かせる」設計をつくる

61歳からの年金を全額NISAに回し、S&P500・オルカン中心で運用しています。年利15%以上を維持できているのは、長期・積立・分散という原則を守っているからです。老後資金のNISA活用についてはこちらの記事で詳しく解説しています。


自分をゼロにして、初めて見えたもの

50歳で自己破産して、すべてを失ったとき、私がやったことは一つでした。

自分と向き合うことです。

逃げ場がなくなったとき、人は初めて本当の意味で自分と対話できる。私は「自分なら絶対に乗り切れる」と、何度も自分に言い聞かせました。根拠はなかった。でも、そう信じることしかできなかった。

そして実際に、乗り切れました。

62歳の今、また新しい「乗り越え」に向かっています。AIという、50歳のときには存在しなかったツールと出会い、一度挫折したアフィリエイトにもう一度挑戦しようと思っています。

収入ゼロの恐怖は、何度でも形を変えてやってきます。でも、向き合い方は変わりません。


まとめ|恐怖から逃げるより、備えに変える

退職後の収入ゼロの恐怖は、漠然と不安がっても解消されません。

でも、具体的な数字と向き合い、小さな行動を積み重ねれば、必ず「備え」に変えられます。

  • 固定費を削る
  • 年金の設計を正確に知る
  • 小さくても自分で稼げる収入源を育てる
  • 長期投資でお金に働かせる

50歳でゼロになった私が、今も現役で、副業に挑戦しながら前を向いている。

あきらめないでください。強い気持ちを持って、一歩踏み出してほしい。

同世代の方に、心からそう伝えたいと思います。


※ 本記事の年金・保険・投資に関する情報は執筆時点のものです。個別の状況については専門家にご相談ください。

老後のお金対策の全体像は、こちらの完全ガイドにまとめています。
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