クローゼットを開けるたびに、「今日は何を着ようか」と悩んでいませんか。
私自身、この数年で服の数をかなり絞りました。単純に、モノが増えるのが好きではないからです。手持ちの服を眺めて、着ていないものが目に入るたびに、なんとなく気になっていました。
今日は、私服を絞って感じたこと、そしてそれが老後のお金にもつながるという話を、お伝えしたいと思います。
「私服の制服化」とは何か
決断疲れを防ぐという考え方
「私服の制服化」という考え方をご存じでしょうか。毎日似たようなコーディネートを繰り返すことで、服選びの手間をなくす、というスタイルです。ミニマリストの間で広まった考え方ですが、年齢を問わず取り入れられる合理的な習慣だと思います。
スティーブ・ジョブズが黒いタートルネックを着続けていたのは、有名な話です。マーク・ザッカーバーグも、同じような服を毎日着ることで知られています。世界的な経営者たちが、こぞって同じ選択をしていたというのは、興味深い事実です。
彼らに共通するのは、「服を選ぶ」という小さな決断を、日々の生活から取り除いたことです。人が1日に下せる決断の数には限りがあるとされ、服選びのような小さな決断を減らすことで、他の重要な判断に頭を使えるようになる、という考え方です。
忙しい朝に、あれこれ悩む時間そのものが、実はストレスの一因になっているのかもしれません。
私が服を絞ってわかったこと
私の場合、断捨離をきっかけに、単純にモノが増えるのが嫌になりました。着ていない服がクローゼットを圧迫している状態が、どうにも落ち着かなかったのです。
そこで、着なくなった服は、どんどん売っていくことにしました。今はメルカリのようなフリマアプリがあるので、気軽に出品できます。撮影して、簡単な説明を書いて出品するだけ。慣れれば、数分で終わる作業です。梱包や発送も、コンビニから簡単にできる仕組みが整っています。
売ってしまうと、場所が空きます。それだけでなく、不思議と気持ちまでスッキリするのです。「もったいないから」と後生大事に抱え込んでいたモノを手放すことで、頭の中まで整理されるような感覚がありました。物理的な空間だけでなく、心の余白まで生まれる感覚です。
まだ試したことがない方には、ぜひ一度挑戦してみてほしいです。クローゼットの中にある、もう着ていない服。それを出品するところから、私服の制服化は始められます。売れたときの「誰かに使ってもらえる」という感覚も、意外と嬉しいものです。届いた通知を見るたびに、ちょっとした達成感も味わえます。
50〜60代の被服費、実はこれくらいです
ここで、世の中の相場も確認しておきましょう。感覚だけで語るより、数字を見たほうが、自分の立ち位置がわかりやすくなります。総務省の家計調査によれば、被服及び履物への平均支出は月9,644円です。
年代別に見ると、60代以上の洋服の月あたり平均購入額は4,000円台という調査結果もあります。1年間の洋服代を尋ねたアンケートでは、7割の人が「5万円以下」と回答しています。
若い頃と比べて、被服費は自然と落ち着いてくる傾向にあるようです。だからこそ、無理に絞り込もうとしなくても、今の生活を見直すだけで、十分に整理できる余地があるのかもしれません。子育てや仕事に追われていた頃と、今とでは、服に求めるものも自然と変わってくるものです。
少ない服を長く着るための3つのコツ
色は「黒・グレー・ネイビー・白・ベージュ」に絞る
制服化を成功させるコツの一つが、色を絞ることです。黒、グレー、ネイビー、白、ベージュ。この5色でそろえれば、どれを組み合わせても、大きく失敗することはありません。
形もシンプルなものを選べば、なお組み合わせやすくなります。奇抜なデザインは、それ単体では魅力的でも、着回しの幅を狭めてしまいます。トレンドを追いかけるより、自分に似合う定番を見極めるほうが、結果的に長く満足できます。
素材は天然素材、洗濯機で洗えるものを選ぶ
少ない枚数で着回す分、一着一着の耐久性が重要になります。コットンやウールなどの天然素材は、化学繊維に比べて耐久性が高い傾向にあります。
また、洗濯機で洗える、アイロンがけが不要、という手軽さも大切なポイントです。手入れに手間がかかる服は、結局着る頻度が減ってしまいます。着る頻度が高い服だからこそ、日々のお手入れのしやすさが長続きの鍵を握ります。
コーディネートは3〜7パターンで十分
私服の制服化を実践している方の多くは、3パターンから7パターンほどのコーディネートに絞っています。
洗濯の頻度から逆算して、必要な枚数を考えるのがコツです。毎日洗濯するなら少なくて済みますし、週に一度なら、その分の枚数が必要になります。
いきなり完璧を目指す必要はありません。まずは今持っている服の中から、よく着る組み合わせをいくつか選び出すところから始めてみてください。無理に買い足す必要もなく、今あるものの中から見つけていく作業です。
浮いたお金は、種銭に
被服費を見直して浮いたお金を、どう使うか。ここが、単なる節約で終わらせないための、大事なポイントです。
私自身は、こうして浮いたお金や、モノを売って得たお金を、NISAの積立に回すようにしています。少額でも、積み重ねれば、将来の種銭になります。
数千円の話だと侮ってはいけません。毎月数千円でも、長期間積み立て続ければ、まとまった金額に育っていきます。被服費という、目に見えやすい支出を見直すことは、家計全体を見直すきっかけにもなります。お金の使い方を根本から考え直したい方は、以前の記事「55歳から始める老後資金」もあわせてご覧ください。小さな見直しの積み重ねが、思っている以上に将来の安心につながります。
まとめ 私服の制服化は、時間・お金・決断力を守る習慣です
私服の制服化は、単なる節約術ではありません。毎朝の小さな決断を減らし、時間を守り、お金を守り、そして気持ちまでスッキリさせてくれる習慣です。以前の記事「断捨離とダウンサイジングで住居費を下げる理由」でもお伝えした通り、モノを手放すことは、暮らし全体を見直す入り口になります。
まずは、クローゼットの中で「もう着ていない服」を一枚、手に取ってみてください。それをメルカリに出品するところから、あなたの私服の制服化は始まります。今日の小さな一歩が、明日の朝を、少しだけ軽くしてくれるはずです。
こんなもの本当に売れるのと自分では思っても案外売れるものです。自分が思うより必要としている人がいることに驚きます。是非挑戦してみてください。
迷ったときは、無理に完成させなくていい
私服の制服化と聞くと、「今すぐ完璧なワードローブを作らなければ」と身構えてしまう方もいるかもしれません。でも、そこまで気負う必要はありません。長年の習慣を変えるのですから、多少の試行錯誤はあって当然です。
まずは、今持っている服の中から、よく着るものと、そうでないものを分けてみる。それだけで、十分な第一歩です。少しずつ育てていく感覚で、気長に取り組んでみてください。
季節が変わるたびに、少しずつ手を加えていけば、無理なく自分らしいスタイルに落ち着いていきます。完成を急がず、暮らしに合わせて調整していくくらいの気持ちで、ちょうどいいのだと思います。年を重ねてからのおしゃれは、新しく買い直すことより、すでに手元にある「自分に似合うもの」を見つめ直すことのほうが、案外近道なのかもしれません。


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