60代の相続対策入門|自分が死んだら口座と株は どうなる?62歳の終活記録

60代の相続対策を考える62歳のイメージ画像 老後のお金

「自分が死んだら、この口座はどうなるんやろ」

62歳になって、ふと思うことがあります。

私が死んだら、銀行口座はどうなるのか。
コツコツ積み立ててきたNISAの投資信託や、
証券口座にある株は、いったいどうなるのか。
残された家族は、何をどうすればいいのか。

正直に言うと、これまで真剣に
考えたことがありませんでした。

子どもに残せるような大きな財産はありません。
住宅も妻の名義です。
「相続なんて、財産がある人の話やろ」と、
どこかで他人事のように思っていました。

でも、調べてみて考えが変わりました。

財産が多い少ないにかかわらず、
人が亡くなれば必ず「手続き」が発生します。
そして、その手続きで苦労するのは、
残された家族です。

この記事では、「自分が死んだら口座や株は
どうなるのか」「家族は何をすればいいのか」を、
62歳の私が実際に調べてまとめました。
財産が少ない人こそ、知っておいてほしい話です。


そもそも、財産が少なくても相続対策は必要なのか

「うちには相続でもめるほどの財産はない」

多くの60代が、そう思っています。私もそうでした。

でも、相続対策というのは「財産を分ける」
ことだけではありません。本当に大事なのは、
こちらです。

・残された家族が、手続きで困らないようにする
・どこに何があるかを、家族がわかるようにする
・凍結された口座のお金を、家族が引き出せるようにする

財産が少なくても、銀行口座はあります。
証券口座やNISAもあります。
これらは持ち主が亡くなった瞬間、
家族が自由に触れなくなります。

「財産が少ないから関係ない」のではなく、
「財産が少なくても、手続きは必ず発生する」
というのが正しい理解です。


自分が死んだら、銀行口座はどうなるのか

まず、一番身近な銀行口座から説明します。

口座が凍結されるタイミング

意外に思われるかもしれませんが、
人が亡くなっても、銀行口座は自動では
凍結されません。

銀行は、口座名義人の生死を
自分から調べることはしません。
家族などが「亡くなりました」と
銀行に連絡した時点で、初めて凍結されます。

役所に死亡届を出しても、それが銀行に
自動で伝わるわけではありません。
死亡届の提出と口座凍結は、別の話です。

凍結されると、何が起きるのか

口座が凍結されると、相続の手続きが
終わるまで、原則としてお金を
引き出せなくなります。

公共料金の引き落としも止まります。
葬儀費用を故人の口座から払おうとしても、
凍結後はできません。

「じゃあ、連絡しなければいいやん」と
思うかもしれませんが、それはおすすめできません。
凍結前に勝手にお金を引き出すと、
後で他の相続人とのトラブルの原因になります。

凍結を解除するには何が必要か

凍結された口座のお金を引き出すには、
相続の手続きが必要です。
銀行所定の払戻請求書に加えて、
戸籍謄本や印鑑証明書など、
「自分が正当な相続人である」ことを
証明する書類を揃えなければなりません。

これが、想像以上に大変です。

亡くなった人の生まれてから亡くなるまでの
戸籍を全部集める必要があったりします。
「ちょっと役所に行けば終わる」
という話ではないのです。

緊急でお金が必要な場合に備えて、
「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」
というものもありますが、これを使う場合も
戸籍の収集や相続関係の証明が必要で、
手続きは簡単ではありません。


自分が死んだら、株やNISAはどうなるのか

ここが、私が一番知りたかった部分です。
コツコツ積み立ててきたNISAや株式は、
死んだらどうなるのか。

NISAの非課税は、死んだ時点で終わる

まず知っておくべき重要な事実があります。

NISA口座の名義人が亡くなると、
その時点でNISAの非課税の恩恵は
終了します。

「NISAだから非課税で家族に引き継げる」
わけではありません。
非課税のメリットは、本人が生きている間だけ。
死んだら、そこで終わりです。

ただし、救いもあります。
亡くなった日までに出ていた含み益には、
税金がかかりません。
亡くなった日の時価が、
新しい取得価額(買った値段)として
扱われるからです。

NISA口座から、課税口座へ移される

NISA口座の中身(投資信託や株式)は、
そのまま家族のNISA口座に
移すことはできません。

家族(相続人)の課税口座、つまり
特定口座か一般口座に移されます。
NISA口座からNISA口座への
引き継ぎはできない、ということです。

そして注意点がもう一つ。
亡くなった日より後に受け取った
配当金には、税金がかかります。

家族がやるべき手続き

家族(相続人)がやるべきことを
順番に整理します。

①証券会社に、名義人が亡くなったことを
連絡する

②「非課税口座開設者死亡届出書」という
書類を、証券会社に提出する

③残高証明書を取り寄せて、
どんな銘柄をどれだけ持っていたかを確認する

④株式や投資信託を相続人の口座に移すため、
「相続上場株式等移管依頼書」を提出する

⑤このとき、相続人が同じ証券会社に
口座を持っていなければ、新しく
口座を開設する必要がある

細かい手続きは証券会社によって
異なる場合があるので、
実際には各社に確認が必要です。

正直、これを残された家族が
一から調べてやるのは、相当な負担です。


わかってはいる。でも、まだ書けていない

ここまで書いておいて、正直に言います。

私自身、まだ財産メモもエンディングノートも
書けていません。

「必要やな」とは思っています。
銀行口座がどこにあるか、
NISAがどの証券会社にあるか、
妻や子どもが知らないのも事実です。

でも、なんとなく後回しにしてしまっている。
「まだ早い」という気持ちが、
どこかにあるのかもしれません。

ただ、この記事を調べながら書いて、
改めて思いました。

「早い」も「遅い」もない。
書いてあるかどうか、それだけの話やと。

残された家族が一番困るのは、
「どこに何があるかわからない」ことです。
手続きの大変さより、
そっちのほうがよほど辛いかもしれない。

この記事を書き終えたら、
私もノートを一冊買うつもりです。
完璧なものでなくていい。
口座名と証券会社名を書くだけでいい。
まず、それだけから始めます。


残された家族の負担を減らすために、今できること

ここまで読んで、「手続きって大変なんやな」
と感じてもらえたと思います。

では、財産が少ない私たちが、
残される家族のために今できることは何か。
お金をかけずにできることを挙げます。

①「財産の一覧」を作っておく

どの銀行に口座があるか。
どの証券会社にNISAや株があるか。
これを紙に書き出しておくだけで、
家族の負担は大きく減ります。

家族が一番困るのは、
「どこに何があるか分からない」ことです。
通帳やカードがどこにあるか、
ネット証券のIDはどうなっているか。
これが分からないと、探すだけで一苦労です。

大げさなものでなくていい。
ノート1冊に、口座と証券会社を
書いておくだけでいいのです。

②エンディングノートを使ってみる

私自身、これまでエンディングノートなんて
考えたこともありませんでした。
「まだ早い」と思っていたからです。

でも、財産の一覧、加入している保険、
家族に伝えたいこと、これらを
ひとつにまとめておけるのがエンディングノートです。
書店で売っていますし、無料のものもあります。
遺言書のような法的な効力はありませんが、
家族への「手続きの地図」になります。

③家族に「ありかだけは」伝えておく

全部を細かく話す必要はありません。
ただ、「もしものときは、この引き出しの
ノートを見てくれ」と一言伝えておくだけで、
家族は救われます。

これなら、今日からでもできます。
お金もかかりません。


私が子どもに本当に残したいもの

最後に、正直な気持ちを書きます。

私には、子どもに残せるような
まとまった財産はありません。
それは事実です。少し情けない気もします。

でも、お金そのものは残せなくても、
残したいものがあります。

それは、「お金との向き合い方」です。

私は工場を経営していた頃、
お金を深く考えずに使い、自己破産しました。
情報商材やセミナーに何度もお金を払い、
レバレッジETFで80万円を溶かしました。
さんざん失敗してきました。

その果てに、62歳になってようやく
たどり着いた考え方があります。

世の中には「r>g」という言葉があります。
これは経済学者ピケティが示した考え方で、
ざっくり言うと「資本(投資)から得られる
利益のほうが、働いて得る給料の伸びより
大きくなりやすい」という意味です。

だから、コツコツでも投資をして
資本を持つことが大切や、と。

私はこれを、60歳を過ぎてから
身をもって理解しました。
もっと早く知っていたら、
人生は違っていたかもしれません。

だからこそ、子どもには伝えたい。

お金は、使い方より「向き合い方」が大事や。
コツコツ投資をして、複利の力を
味方につけること。怪しい儲け話に
飛びつかないこと。失敗しても、
何度でもやり直せること。

財産は残せなくても、この考え方だけは
残したい。それが、62歳の私にとっての
本当の「相続対策」なんやと思っています。


まとめ|財産が少なくても、今日からできる相続対策

①銀行口座は、銀行が死亡を知った時点で凍結される

②凍結解除には戸籍など多くの書類が必要で手続きは大変

③NISAの非課税は死亡時点で終了し、課税口座へ移管される

④財産の一覧を作っておくだけで家族の負担は大きく減る

⑤お金は残せなくても「お金との向き合い方」は残せる

相続対策は、お金持ちだけのものではありません。
財産が少ない私たちこそ、残される家族のために
「手続きの地図」を残しておくべきです。

まずはノート1冊。今日から始められます。

そして、もし相続や終活について
専門的なアドバイスが欲しくなったら、
お金の専門家であるFPに相談するのも
ひとつの方法です。一人で抱え込まず、
プロの力を借りるのも賢い選択です。


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