「投資なんて、自分には関係ない話や」
そう思っていた時期が、私にもありました。
62歳、製造工場に勤務しながらNISAで資産運用を続けています。61歳から年金の全額をS&P500・オルカン中心のNISAに積み立て始め、現在700万円超まで育てることができました。
でも正直に言います。もっと早く始めていればよかった、と後悔しています。
50歳で工場を廃業し自己破産。全財産90万円になったあの経験が、お金に対する考え方を根本から変えました。破産する前の私は、お金をおおざっぱにしか考えていなかった。投資どころか、家計管理すら甘かった。
あのときもっとシビアにお金と向き合っていれば、と思います。でも後悔しても時間は戻りません。
今できることを、今すぐやる。それだけです。
この記事は「資産運用・NISA」カテゴリーの完全ガイドです。60代からでも遅くない理由、基本の考え方、出口戦略まで整理します。まずここで全体像をつかんでください。
「投資が怖い」のは知識がないからだけ
「投資は怖い」「損したらどうするんや」という気持ち、よくわかります。
でも私が経験からわかったことがあります。知識がないから怖いのです。
少し勉強して、少しずつ始めれば、その怖さは必ず薄れます。逆に言えば、知識がないまま現金だけで持ち続けることも、インフレという見えにくいリスクを毎年背負い続けることになります。
「投資しないリスク」と「投資するリスク」。両方を正しく理解した上で判断することが、60代のお金と向き合う第一歩です。
60代からNISAを始めても遅すぎることはありません。収入が減り始める60代には、リスクの少ないつみたて投資枠による資産形成が最適で、少額からでも始められるため生活資金とのバランスを見ながら運用できます。 Carenote
資産運用の絶対原則「積立・分散・長期」
投資の世界には難しい話がたくさんありますが、60代が覚えておくべき原則はたった3つです。
① 積立
毎月一定額をコツコツ積み立てる。相場が高いときも低いときも買い続けることで、購入価格が平均化されます。「高値づかみ」のリスクを自然に下げられる、最もシンプルで強力な方法です。
② 分散
一つの銘柄・一つの国に集中させない。S&P500(米国500社)やオルカン(全世界株式)のような分散型インデックスファンドなら、一本買うだけで数百〜数千社に分散投資できます。
③ 長期
短期の値動きに一喜一憂しない。長く持ち続けることで、複利の効果が最大限に発揮されます。
複利を上手く活用すれば、雪だるま式にお金が増えることが期待できます。新NISAのつみたて投資枠は、長期・積立・分散に適した制度で、コツコツ積立をしたい人におすすめです。 Housedo
60代が最大限に活用すべき「新NISA」
2024年から始まった新NISAは、60代にとって非常に使いやすい制度に生まれ変わりました。
新NISAでは『つみたて投資枠』と『成長投資枠』の2種類があり、年間投資上限額は両枠合わせて最大360万円まで拡大されました。また非課税保有期間が無期限となり、60代以降でも長期運用が可能になっています。 One doctor
つまり、65歳から取り崩しながら80歳まで運用し続けることも、制度上まったく問題ありません。「老後に始めても非課税のまま運用を続けられる」という点が、新NISAの最大の強みです。
NISAを使った老後資金の具体的な作り方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
60代の資産運用で絶対に忘れてはいけないこと
資産を増やすことと同じくらい、いや、それ以上に重要なことがあります。
「出口戦略」を先に設計することです。
どんなに資産を増やしても、取り崩し方を間違えれば一気に目減りします。私自身、65歳時点でNISA残高を1,200万円まで育て、年4〜5%を上限に取り崩しながら残りは運用し続ける設計を立てています。
出口戦略を考えるときに押さえておくべきポイントは3つです。
① いつから取り崩すか 給料・年金・副収入で生活費が賄えている間は、手をつけない。収支が赤字になった時点から始める。
② いくら取り崩すか 年4〜5%を上限の目安にする。1,200万円なら年48〜60万円、月4〜5万円が目安。
③ 何を最後まで残すか 緊急予備費として現金100万円は別枠で確保し、NISAには手をつけない期間を長く保つ。
貯蓄の取り崩し戦略の詳細についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
時間を味方にするとはどういうことか
「もっと早く始めればよかった」という後悔の裏側には、複利の力を使い切れなかったという事実があります。
複利とは、運用で得た利益をそのまま再投資することで、利益がさらに利益を生む仕組みです。雪だるまと同じで、転がし始める時期が早いほど、最終的な大きさが変わります。
例えば毎月5万円をNISAで年利5%で積み立てた場合、
| 積立期間 | 積立総額 | 運用後の資産 |
|---|---|---|
| 10年 | 600万円 | 約776万円 |
| 20年 | 1,200万円 | 約2,055万円 |
| 30年 | 1,800万円 | 約4,160万円 |
10年と30年では、積立総額の差は1,200万円ですが、最終資産の差は3,384万円にもなります。これが複利の力です。
60代から始めても10年以上の運用期間は取れます。「遅すぎる」ではなく「今すぐ始める」が正解です。
このカテゴリーで扱う記事一覧
資産運用・NISAに関する詳しい内容は、以下の記事で解説しています。
👉 NISAを使った老後資金の作り方|60代から始めても遅くない理由と実践方法 NISAの基本的な仕組みから、60代ならではの活用法まで。
👉 貯蓄を取り崩すのが怖くて手をつけられない60代へ|700万円から始める出口戦略の現実 増やした資産をいつから・いくら崩すか。出口戦略の全体設計。
まとめ|知識がなければ始められない。でも少しでいい
資産運用は難しくありません。最初の一歩だけが難しいのです。
- 積立・分散・長期の3原則を守る
- 新NISAを最大限活用して非課税で運用する
- 出口戦略を先に設計してから取り崩しを始める
- 複利を味方にするため、今日から始める
「もっと早く始めていれば」という後悔を、あなたにはしてほしくない。
60代はまだ間に合います。でも今日が、残りの人生で一番若い日です。
※本記事の投資・制度に関する情報は執筆時点のものです。投資にはリスクが伴います。最終的な判断はご自身でお願いします。


コメント